<紙芝居>さるの ほとけさま

 

山奥のお堂

いつも その扉は、固く 固く 閉じられている。

さる仏様の お披露目は、1000年に 一度だけ。

日本中さるが やってくる。

 

「もうすぐ、この鍵の出番じゃな。。。」

長老は、鍵を じっと見つめました。

 

そこへ、いたずらものの、もん吉が やってきて

ひょい と鍵を取り上げ お堂の中に 入っていきました。

 

 

 

 

村長たちは あわてて 取り押さえようとしますが、

もん吉は ますます ふざけます。

 

ドッキャーン

 

しっぽで ほとけさまを 壊してしまいました。

 

「代々守りぬいてきたのに。。。」

長老は 気をうしなってしまいました。

 

「この バチあたりめ!!!」

村長たちは、もん吉を 柱に縛りつけ

ボカ ボカ と たたきました。

 

 

 

「大変です。とにかく きてください。」

村人たちが お堂にかけつけ 、村長たちは 一斉に出ていきました。

 

ふもとの村では、たくさんのお客たちが 押し寄せ  騒いでいました。

 

「お披露目は、まだです。もう少々お待ちください。」

村を案内して待ってもらう事にしました。

長老は、床にふせったまま。

 

やっとの事で 縄を抜け、村に来た もん吉は 木の上から、すべてを見て つぶやきました。

 

「まさか こんな 事になるなんて。。。」

 

 

 

 

もん吉は、さる仏様を直そうとしました。

けれど、焦って、焦って

 

パリーン

 

お顔を 落とし 粉々にしてしまいました。

 

「なんて 僕は だめな奴なんだ。。」

 

もん吉は、目の前が まっくらになり ひざまづきました。

 

 

 

ふと 手にした かけらを 見ると 文字が 書いてあります。

 

"  仏の魂  土にあり ”

 

「土!! 土なら 山ほど あるぞ。」

 

もん吉は お堂の裏へ まわり 仏様を作り始めました。

作れど、作れど できるのは、

さる仏様とは ほど遠いものばかり

 

「どうやって おわびをすれば、いいんだろう。。。。」

 

 

もん吉は、ふらふらと 長老のもとへ 行きました。

 

「どうか みなに さる仏様を・・・」

 

うわ言を 繰り返しています。

 

「そんなに 大切なものだったんだ。。。」

 

もん吉は 胸が苦しくなりました。。。

 

 

 

 

 

 

とうとう お披露目の日が やってきました。

 

「まだなのか!!!」

 

お堂の前に つめよせた お客たちは イラだち始めました。。。

 

 

村長たちは、なんと言えば いいか分からず、おずおずと 扉を 開けました。

 

中に立っていたのは もん吉。

 

「ごめんなさい。ぼく 仏様をこわしました。」

 

「え~~~~っ!!!!」

 

みんな 口々に もん吉を責めたてました。

 

村長たちも 一緒になって 責めました。

 

もん吉は、小さな 仏様を差し出しました。

 

「そんなもので 代わりになるか!!!」

 

皆の怒りは、頂点になり

ますます もん吉を責めたてます。

 

 

 

「こわしたからこそ わかったんだ。

 

 どんな姿でも 仏様は 仏様。

 

 壊したからこそ 作ろうと思う。」

 

もん吉は 土を運んできました。

 

「バカな事を・・・・」

 

大人たちは かたくなな 態度です。

 

 

 

「おもしろそ~~。」

一匹の ちびっこさるが、土を こねだしました。

 

すると 他の ちびっこさるも 次々に 作りだしました。

 

「まぁ。。。大丈夫かしら。。。」

親たちも 手伝いはじめ、いつの間にか 大勢の人たちが 作っています。

 

 

 

「みごとじゃ。。。」

村長たちに おぶわれやってきた 長老は 並んだ仏様をみて 驚きました。

 

「皆の者 すまんかった。」

長老は、嘆くだけで ふがいなかった事を 謝りました。

村長たちも、もん吉を責め ごまかしてばかり だった事を 謝りました。

 

「全部僕のせいです。」

もん吉は 涙ながらに 謝り 壊れたさる仏様を 並べました。

 

「でも、おかげで 仏様が いっぱいだ。」

お客たちは、満足気な笑顔です。

 

 

 

その時 まばゆいばかりの光が、天から降り注ぎ 仏様の お顔が 浮かび あがりました。

それは、一瞬の出来事でした。

 

「みんなの思いが 仏様に 届いたんだ。」

 

「ありがたいのう。。。」

 

 

 

壊れたもの、作ったもの どっちも 大切にして いこう

 

 

みんなの心が ひとつになった そんな お披露目になりました。

 

 

 

                       おしまい